コラム2026年10月18日
民泊・旅館業を始めるときに必要な消防設備は?

住宅を民泊や旅館業に使うと、消防法の上では「旅館・ホテル」と同じ扱いになることがあり、自動火災報知設備や誘導灯などが必要になります。どんなときに何が要るのかをまとめました。
この記事のポイント
- 民泊・旅館業に使う部分は、多くの場合、消防法の上で「旅館・ホテル」と同じ扱い(別表第一(5)項イ)になります
- 自動火災報知設備と誘導灯が原則必要です。延べ面積300㎡未満なら、特定小規模施設用自動火災報知設備で足りることが多くあります
- 家主が住んでいて宿泊室が50㎡以下の民泊は、住宅のままの扱いです
マンションの1室や戸建てを民泊・旅館業に使うとき、最初につまずきやすいのが消防設備です。ふつうの住宅のままでは足りず、開業の前に設備の工事と消防署への届出、消防検査が必要になることがほとんどです。
「住宅」のままか「旅館」扱いになるか
消防法では、建物の使い方(用途)によって必要な設備が決まります。民泊・旅館業に使う部分は、多くの場合「旅館・ホテル」と同じ扱い(消防法施行令 別表第一の(5)項イ)になります。
| 使い方 | 消防法上の扱いの目安 |
|---|---|
| 旅館業(簡易宿所など)の許可をとって営業する | 旅館・ホテルと同じ扱い |
| 住宅宿泊事業(民泊新法)で、家主が住んでいない | 旅館・ホテルと同じ扱い |
| 住宅宿泊事業で家主が住んでいて、宿泊室の面積が小さい(50㎡以下) | 住宅のままの扱い |
マンションの1室だけを民泊にする場合でも、その部屋の扱いが変わることで、建物全体に必要な設備が増えることがあります。管理組合やオーナーとの調整が必要になるのは、このためです。
必要になることが多い設備
自動火災報知設備
火事を感知して、建物の中に知らせる設備です。旅館・ホテル扱いになると、原則として必要になります。
延べ面積が300㎡未満の小さな建物なら、多くの場合「特定小規模施設用自動火災報知設備」で足ります。電池で動き、感知器どうしが無線でつながるので、壁や天井に配線を通す工事がほとんどいりません。
誘導灯
出口の場所を示す、緑色の表示灯です。旅館・ホテル扱いの建物には原則として必要です。部屋の広さや出口の見通しによっては、誘導灯がいらない、または蓄光式の誘導標識で足りることもあります。
消火器
建物の広さや、自治体の条例によって必要になります。
設備のほかに必要なもの
- 防炎物品:カーテン・じゅうたんなどは、防炎ラベルの付いたものを使います
- 避難経路図:宿泊する方が見える場所に、避難の経路を示した図を掲示します
開業までの流れ
- 現地調査:建物の広さ・間取り・階数を確認し、必要な設備を洗い出します
- お見積り:設備と届出の内容をお見積りでご提示します
- 消防署への事前相談:必要に応じて、着工前に所轄の消防署と設備の付け方を相談します
- 工事と届出:設備を取り付け、工事にともなう設置届などを消防署へ出します
- 消防検査:消防署の検査に立ち会います
建物によって必要なものは変わります。物件の図面や写真があれば、それをもとにお見積りできます。
令和工芸にお任せいただけること
令和工芸では、民泊・旅館業の消防設備の工事を90件以上手がけてきました。現地調査から設備の工事、工事にともなう消防署への届出、消防検査の立会いまで、自社でまとめてお引き受けします。旅館業の許可や民泊の届出に必要な消防関係の書類についても、どこに何を出すかをご案内します。