令和工芸

コラム2026年10月19日

火災通報装置の電話回線をIP電話に切り替えるとき、消防署への届出は要る?

2026年8月の消防庁の通知で、火災通報装置の本体はそのままでも、電話回線をIP電話回線に切り替える工事には着工届と設置届が要るという考え方が示されました。対象の建物と、持ち主が気をつけることをまとめます。

この記事のポイント

  • 火災通報装置の本体を替えなくても、電話回線をメタル回線からIP電話回線に切り替える工事は、着工届と設置届の対象になります
  • これは2026年8月3日の消防庁予防課長の通知(消防用設備等に係る執務資料)で示された考え方です
  • 旅館・ホテル・病院・入所型の福祉施設などで、電話回線の変更の話が出たら、工事の前に消防設備業者へ知らせてください

2026年8月3日、総務省消防庁の予防課長から全国の消防本部へ「消防用設備等に係る執務資料の送付について(通知)」(消防予第359号)が出されました。消防用設備の扱いについての質疑応答をまとめたもので、その中に火災通報装置の電話回線の切り替えについての問答があります。

建物の電話回線を見直す機会は少なくありません。この通知で何が示されたのかと、建物の持ち主・管理者として気をつけたいことをまとめます。

火災通報装置とは

火災通報装置は、ボタンを押すと自動で119番につながり、あらかじめ録音した建物の名前や所在地を消防機関へ伝える装置です。法令上は「消防機関へ通報する火災報知設備」と呼ばれ、建物の電話回線につないで使います。そのため、電話回線が変わると装置の働きにも関わります。

設置が必要な建物(主なもの)

消防法施行令第23条で、設置が必要な建物が決まっています。ここでは主なものを挙げます。

建物の用途 設置が必要になる規模
病院・有床診療所、入所型の社会福祉施設など 面積にかかわらず
旅館・ホテルなど(旅館業や民泊で(5)項イの扱いになる建物を含む) 延べ面積500㎡以上
共同住宅 延べ面積1,000㎡以上

共同住宅などは、消防機関へいつでも通報できる電話があれば設置しなくてよいとされています。一方、旅館・ホテル、病院・入所型の福祉施設などは、電話があっても装置の設置を省くことはできません。

通知で示されたこと

回線だけの切り替えでも、着工届と設置届が要る

質疑応答では、次の工事について問われています。

  • 火災通報装置の本体は取り替えない
  • 電話回線をメタル回線(従来の電話線)からIP電話回線に変える回線切替工事
  • 回線終端装置などを設置する工事

答えは、こうした工事も着工届を消防長または消防署長へ出す必要があり、工事のあとの設置届も必要で、その工事区分は「改造」になる、というものでした。本体に手を付けないから届出は要らない、とはならない点が大切です。

着工届は甲種消防設備士が工事に着手する10日前までに出すものです。設置届は、工事が完了した日から4日以内に出すことになっています(消防法施行規則第31条の3)。

故障などで急いで直すときは、10日を待たずに工事できる場合がある

同じ通知で、既存の建物の消防用設備が故障したときなど、早く復旧しなければならない場合についても示されています。消防長または消防署長が工事の内容を確かめて、技術上の基準に合っていると認めたときは、着工届を出してから10日を経たなくても工事をして差し支えない、とされました。

持ち主・管理者が気をつけたいこと

  • 電話会社や通信業者から回線の切り替えや工事の案内が来たら、その回線に火災通報装置がつながっていないか確かめる
  • つながっている場合は、回線の工事を決める前に、消防設備業者へ知らせる
  • 届出が要る工事なので、着工届の10日前という期限を見込んで日程を組む
  • 切り替えたあとは、装置から消防機関へ正しく通報できるかを確かめる

電話の工事だけが先に進み、火災通報装置が使えないままになっていた、ということが無いようにしたいところです。

令和工芸にお任せいただけること

令和工芸では、火災通報装置を含む消防用設備の工事・点検と、それにともなう着工届・設置届の提出、消防検査の立会いまで自社で対応しています。電話回線の切り替えの予定があり、火災通報装置への影響が気になる場合は、工事の前にご相談ください。お見積りは無料です。

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